作戦

初めて吐かれた嘘は「おれグーだしてあげる」というやつでした。

 

僕は、昔は単純だったので、見事に負けました。それで、「じゃんけんの前に自分の出す手を言うやつは嘘をついてるんだ」と思うようになりました。

が、すぐにわかったのは、この発見が絶対に正しいわけじゃないということでした。「おれグーだしてあげる」と言ってグーを出す正直な人間が相手だと、相手が嘘つきだと思っている僕は、わざわざ手の内を見せてくれている相手に自ら負けにいくアホ人間と化すのでした。

さらに質の悪いことに、「ほら、グーだすっていったじゃん、信じてなかったのかな~~~?」と、相手の言うことを疑っちゃう人扱いされるんですね。

それで、困りました。嫌な記憶は忘れにくい、というやつかもしれないですが、なぜかいつも読みを外し、負けるだけでなく騙されたり残念な人扱いされたりして、悔しく思うことばかりでした。ついでに、たった一言で、運で決まるはずのゲームが相手の心を読まないといけないゲームになってしまうのが、不思議でなりませんでした。

未だにそういうじゃんけんは苦手なんですが、今になって思うのは、実はこういうじゃんけんを仕掛けてくる人もまた、仕掛けられる側の人の心を読まないといけなかったのかもしれないな、ということですね。ただ、当時は、勢いで勝った方の勝ち、という話だったんだと思います。そんなわけで、これからは相手の勢いに気を付けて、できればそれをかわして、生きていきたいと思います。

ところで、上の話とは関係ありませんが、劇を見に来てもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

音響・web 今野

 

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劇団綺畸2019年度新人公演
『それでも朝日は僕らを照らす』
作・演出 北村章吾
3月15日(日) 13:00/18:00
3月16日(月) 18:00
駒場小空間
予約制・無料(カンパ制)
全席自由席
予約フォーム(今野扱い)↓
https://www.quartet-online.net/ticket/soredemoasahihabokurawoterasu?m=0chbfeh
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